手入れをすれば美しさを保ち、
年月が経過してもそれなりに味わい深くなるのが女性とレザー。
どちらも栄養補給を怠るとシミ、シワ、ひび割れ・・・コワイコワイ。 女性もレザーも個性があって、付き合い方も様々ですが、それぞれに合ったメンテナンス、ケアが大切ですね。
カーフレザー
- 特徴
生後6ヶ月以内の子牛の革で、大人の牛革と比較してきめ細かく、すべての皮革素材の中でも上質なアイテム。(写真の革ジャンは20年前に購入)
柔らかく馴染みやすい。革本来の光沢感が魅力。
ただしコーティングをしていないので、表面に傷が入りやすく、雨に弱いので気を付けてください。 - ケア
軽くひっかくだけで傷が付いてしまうほどデリケートです。
ホコリや汚れは、乾いた柔らかい布などでふき取ります。
保湿クリームを使用するときは、少量に止めしっかりと拭き取ります。
カビ対策として、なるべく湿気が少なく風通しをよくして保管します。
ジッパー部分の動きが悪い場合は、ロウソクを塗りこんですべりを良くします。
ブライドルレザー
- 特徴
カバンや革小物に使われることが多い素材。堅牢性を高めるため、ワックスや牛脂などがすり込まれているイギリス伝統の製法。
耐久性に優れる反面、硬い革なので縫製が難しく、ステッチが独特。
(写真は縫製前の革素材) - ケア
表面に浮き出た蝋(ブルーム)は使用するうちに徐々に取れ、美しい光沢のある表情に変化するので残したままでも良いですが、ショルダーバックなどではこすれて服につく場合もあるので、皮革用の柔らかめのブラシでていねいに磨き、積極的に光沢を楽しむこともできます。
濡れるとシミになることもあるので、雨天時には防水スプレーをお忘れなく。
シープスキン(直毛羊革)
- 特徴
羊の革は、牛の革などと比べると繊維が粗いため強度はやや劣るが、革質がキメ細かく表面がなめらか。
レザージャケットや手袋に使用され、上品で肌なじみが良い。
(写真は10年前に購入のジャケット袖部) - ケア
通常は柔らかい乾いた布で拭き、柔らかい馬毛ブラシでやさしくブラッシングします。
汚れが目立つときは、水分を固く絞った綿布でていねいに拭き取ります。
その後、栄養補給として皮革クリームで塗りこみ、馬毛ブラシでやさしくブラッシングします。
スエード
- 特徴
なめした革の内側をサンドペーパーなどで起毛させた革素材。
スウェーデン発祥の技法で本来は子羊の皮で作られることが多かったが、今は子牛の皮で作るのが主流らしいです。
毛足が短くて柔らかいものほど高級で、毛足の長いものは「ベロア」と呼ばれ、皮の表面を起毛させると「ヌバック」になります。
(写真は30年以上前に購入のローファー) - ケア
履いた後は、専用のスエードブラシを使ってブラッシング。汚れたらすぐに取り除くのが、色と毛並みをきれいに保つ秘訣です。
- ブラッシング
最初はホコリを取るために、毛の流れに逆らってブラッシング。そのあと毛の流れに沿って丁寧にブラッシング。
擦れたりして毛先が固まっている部分は、真鍮ブラシで軽く手首のスナップを効かせて毛をほぐすようにすると、起毛します。
※金属のブラシは強くこすると毛が抜けてオヤジには致命的なので、注意してください。抜けたら二度と生えません。 - 濡れた場合
基本は雨の日には履かないことですが、もし濡らしてしまったら紙を丸めて中につめ、日蔭干しで半乾きにした後にシューキーパーで形を整えて完全に乾かします。
最後に、ブラッシングで毛並みを整えて防水スプレーを吹き付けます。 - 汚れが目立ち出したら
薄い色の靴は、ブラッシングだけでは汚れが取り切れなくなります。その場合は生ゴムや消しゴムで鉛筆の文字を消すつもりでゆっくり擦ると、ゴムに汚れが移って汚れを取り除けます。この時毛がつぶれる場合もあるので、歯ブラシなど毛足の短いものでブラッシングします。
※スエード用のカラースプレーも販売されています。黒・紺・茶などの濃色なら、毛並みがしっとりして、きれいに仕上がります。
オイルドレザー
- 特徴
アウトドア用のブーツやグローブに使われる、分厚くて油分を多く含む革素材。ラフに使われることが多いので、丈夫にできている。
(写真は10年前に購入のハーフパイプ用グローブ) - ケア
油分が多いので汚れが付きやすく、手入れを怠ると表面が乾燥してカサカサになってしまいます。
- 毛が長めのブラシで表面の泥やほこりを取り除きます。
- 液体の汚れ取り(ステインリムーバー等)を綿布に染み込ませてから、汚れを拭き取るように擦ります。
表面の油分や汚れが布に移り、皮は光沢感がなくなります。 - ミンクオイル少量を布にとり、皮に染み込ませるようによく擦り込みます。
- 毛が少し固めのナイロンブラシで、余分なオイルを取り除くようにブラッシングすると、しっとりとしたツヤが出てきます。
- オイルのべたつきが気になる場合には、さらに乾いた布でカラブキします。
パンチングレザー
- 特徴
パンチングは、革種ではなく技法名。多数の穴が軽量感と通気性を備える。
夏用の革アイテム定番デザインでもある。 - ケア
写真の革ジャケットはかなり古いものですが、今回撮影のために久しぶりに手入れしました。馬毛ブラシで磨いた後、皮革クリームを厚めの不繊布に少量なじませて、パンチングの穴に溜まらないように薄く擦り込み、一晩おいてから乾布で拭き上げました。
ジャケットに直接クリームを塗ると、穴にクリームが溜まってしまうので注意してください。
女性もブランド革製品をたくさん持っています。
パーティーの帰りに雨が降ってきたら、磨きの上手なオヤジになって、ピンヒールを滑々に磨かせてもらいましょう。